東京地方裁判所 昭和30年(ワ)9470号 判決
以下は、判例タイムズに掲載された記事をそのまま収録しています。オリジナルの判決文ではありません。
〔事実と判断〕被告は「原告は右手形が金融のために振出されたもので被告は何等の対価を得ていないことを知り乍ら本件手形を取得したから所謂悪意の抗弁を以つて対抗する」と抗争した。
判決は以下のように述べて被告の抗弁はそれ自体理由がないとして排斥した。曰く。
「被告は本件手形の振出により何等の対価を得てをらず、原告はそのことを知つて本件手形を取得したものであるから被告は悪意の抗弁を以つて対抗すると主張するけれども、被告主張のように単に他人に金融を得させるために手形を振出す場合の振出人の立場はこれを経済的側面から観察すれば恰も第三者に対し振出人の責任により金融することを依頼するような立場にあるものであるから、被告は事理の当然としてその主張のような抗弁権を有しないものといわねばならない。」